軽井沢別荘第1号は?
ディクソン先生と明治19年に軽井沢を訪れたショー師が、この地を気に入り、軽井沢で最初の別荘を設けたことは、軽井沢に行ったことがある方なら、恐らくみなご存じのことと思いますが、その別荘はどの建物だったのか、ということについては誤解されている方が多いのではないかと思います。
先日ご覧いただいたショー師の胸像が立っている軽井沢ショー記念礼拝堂の後ろ、右の通路から奥に入った所に再建された大塚山のショーの別荘、いわゆるショーハウスが第1号の別荘だと思ってしまった方が多いのではないでしょうか?
確かに、あの辺の通り沿いにショーの最初の別荘があったそうですが、直ぐに大塚山に二つめの別荘を建てたというのが真実だそうです。
明治19年の春に軽井沢を訪れたショーは、夏にまた来て、今度は亀屋ではなく、つるやに泊まりますが、つるやの紹介で以前旅籠として使われていた建物を手に入れて別荘にしたのが、軽井沢第1号別荘の建物で、要は中古だったわけです。
何故そこにずっと住まなかったかというと、街道沿いの元旅籠だったがために、日夜、旅人が戸を叩くという状況だったからだそうです。
そこで新居を大塚山に建てることにするわけですが、今度も旅籠だった建物を移築し、中を洋風に変えて住んだということで、これが軽井沢の洋風別荘の原型になったと桐山秀樹さんはお書きになっています。